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『天皇の料理番』、そして『ライオン食堂』

TVはほとんど見ないし見られない生活なのですが、ここ一カ月くらい録画を欠かさずに、熱心に見ていたのが『天皇の料理番』。
いわゆる“厨房モノ”(勝手に名づけたジャンル)は好きなので、それ系は一応チェックはするのですが(忘れない限り、初回はかならず録画)、このドラマはハマりました。
ここのところの定休日のたのしみです。

今日も隙間をぬって一時間ほど。
御大礼の晩餐会、にーやんの死、俊子さんへの再びの求愛――と。喉が渇いていたのにお茶も淹れずドラマに没頭。
いろいろとエピソード満載の回だったのですが、とりわけ、パリから福井の家に戻った徳蔵さんとにーやんのシーンがたまらなかった。
結核を患い離れに居る長兄に、パリで培った腕をふるまった徳蔵。やせ細った身体で床を出、障子を隔て、徳蔵の作った料理を(スープかな、あれは)をしみじみと味わい「うまい」と一言。そして、天皇の料理番になりますと報告した徳蔵に「励めよ」とやさしく微笑みながら返したにーやん。
もう、号泣でした。

「励めよ」

この言葉、徳蔵ならずとも沁みました。
予想したセリフ、「がんばりなさい」ではなかった。
(わたし自身、なんでだか以前からずっと「がんばる」という言葉が苦手でして…。よほどの思いがない限り、人に対しても自分にも、やたらに口にしません)。
でも、言葉としては同じ意味合いでしょう、そう同じ意味なのです。
だけど、伝わり方、違います。よね。
少なくても、わたしにはしっかり伝わりました。
とてもあたたかい思いに溢れた、いい回だったなあ。



そして、実はちょうど今、わたし自身が、この秋山徳蔵さんとほぼ同時代に生き、函館の末広町にて「ライオン食堂」という店を構えた「佐藤菊治」という人物について調べているところでもありました。
『天皇の料理番』、そして『ライオン食堂』_c0059462_185995.jpg
そんな中でのドラマであり、奇しくも同時代ということからのわくわくもあるのかもしれません。
ものすごくピンポイントで、タイムリー過ぎで。
「ライオン食堂」そして、主であった「佐藤菊治」という料理人――。

元町の店を閉め、再びの再開をすべく動いていた時期に、ひょんなご縁からこの方の存在を知り、突き動かされ、書いてみたいという思いが募りました。当時の断片を聞いていて、とても魅力的な函館を身近に感じられたんです。
この話はいずれまたあらためて。


まずはとりあえずなにより、わたしは今、「百閒」を良き店にしていかなくてはなりませんね。

励みます。
by book_cafe_note | 2015-06-24 01:27 | +日々
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